妊婦さんからの採血で、胎児の染色体異常が高い精度でわかる新型出生前診断「NIPT」が、2012年4月から認定施設で始まりました。

新型出生前診断は、母体血清マーカーと同じく、採血でできる非侵襲的・非確定的検査です。妊娠10週という妊娠初期から検査ができ、妊婦さんの血液中の胎児由来のDNAを調べ、胎児が21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーである可能性を調べます。
早い時期に、より精度が高い正確な結果が得られる新型出生前診断になりますが、あくまでもスクリーニング検査であり、診断の確定には絨毛検査や羊水検査が必要になります。

精度が高く、より正確な新型出生前診断は、母体血清マーカー検査や妊娠初期コンバインド検査検査とは異なる検査方法をします。

新型出生前診断の特徴

妊婦さんの血液中には、胎盤から漏れ出てくる胎児由来のDNAが混ざっています。新型出生前診断は、このDNAを調べます。
妊婦さんの血液の中に、胎児由来のDNA濃度は10%程度あり、妊娠週数とともに高くなり、出産後数時間でなくなります。

DNAは、人間の設計図であり通常は細胞の中にありますが、この胎児由来のDNAは、細胞に収まっていない、むき出しのDNA として妊婦さんの血液の中に存在していて、細胞フリー胎児DNA (cell free fetal DNA:cffDNA)と呼ばれます。

このcffDNAを用いて非侵襲的出生前遺伝学的検査(non-invasive prenatal testing:NIPT)を行います。
胎児の染色体の「数の変化(数的異常)」を調べます。
母体血清マーカー検査や妊娠初期コンバインド検査は、胎児が検査対象の疾患であるかにより変化する妊婦さんの血液成分の値を調べましたが、
新型出生前診断は、妊婦さんの血液の中にある、胎児のcffDNAを直接調べる検査になります。



新型出生前診断の対象

新型出生前診断は、全ての妊婦さんが対象にはなりません。
日本では、以下の対象となる妊婦さんを産婦人科学会が指針を出しています。

NIPTを受けることを希望する妊婦さんのうち1~5のいずれかに該当する者
1.胎児超音波で、胎児が染色体異数性を有する可能性が示唆された者。
2.母体血清マーカー検査で、胎児が染色対数的異常を有する可能性が示唆された者。
3.染色体数的異常を有する児を妊娠した既往のある者。
4.高齢の妊婦。
5.両親のいずれかが均衡型ロバートソン転座を有していて、胎児が13トリソミーまたは21トリソミーとなる可能性が示唆される者。

新型出生前診断もスクリーニング検査

精度の高い検査になりますが、あくまでもスクリーニング検査(振り分ける検査)になり、確定診断ではありません。
羊水検査・絨毛検査に代わる検査ではないのです。
染色体の数的異常を見る検査になりますので、そのほかの胎児の異常を見ることはできません。
妊婦さんの採血だけで、妊娠初期から検査のできる新型出生前診断、精度の高い検査と言われますが、検査を受けるにあたり心配になることもありますね、次回は検査の精度についてお話します。

[PR]