妊娠とは、「卵子」が「排卵」され、精子と出会い「授精」して「胚」になり、無事に子宮内膜に「着床」すること。妊娠を意識した妊活中の方は、この様な言葉をよく耳にすることとなります。妊娠の成立には、どの言葉の過程も大切になり、一つでも欠けると妊娠は成立しません。
妊活を進めていくうえで、一つ一つをしっかりと理解して妊娠への近道になるよう、まずは「卵子」についてよく知っていきましょう。

卵ができるのは胎児の時

まず、卵と卵子は少し違いがあります。
卵とは、原始卵胞(卵の大もと)と言う、卵子を育てる袋(卵胞)の事を言います。卵子とは、卵巣から排出されたものになります。

卵巣には、卵胞という卵子を育てる袋があり、この卵子のもととなる原始卵胞があります。
卵のもと、原始卵胞は胎生期(お腹の中にいる時)に作られ、その後出生後も新たに産生されることはなく、排卵や閉鎖卵胞になり減少していきます。

卵子の寿命


女性は、生まれる時にはこの原始卵胞を卵巣に約200万個蓄えています。
そして、生まれてから月経のはじまる思春期頃には、約170万個から180万個が自然に消滅し、 思春期・生殖年齢の頃には約20~30万個まで減少します。
その後も一回の月経の周期に約1000個が減少しており、1日にすると30~40個が減り続けているとされています。
閉経までの間に400から450個の卵子を排卵しますが一個の卵子を排卵するまでに約1000個の卵巣卵胞が様々な状況で消えていきます。
その他にも、自然になくなってしまうものもあれば月経周期にエントリーされても主席卵胞になれずに閉鎖するものなど、ある程度成長をしても全ての卵胞が排卵されるわけではありません。 このことから約一か月に1000個程度、また1日30個程度のスピードで卵胞が減少していると言われています。閉経後の卵巣には100個程度が残りやがて閉経をむかえます。閉経は一般的に無月経が1年以上続いた状態を言い平均閉経年齢は50歳ですが個人差が多く早い人で40歳代前半遅い人で50歳代後半に閉経をむかえます 。

赤ちゃんになれる卵子とならない卵子

赤ちゃんになれる卵子は、 これから排卵される卵の中にあります。
また赤ちゃんにならない卵子も、これから排卵される卵の中にあります。
精子と出会ったけれど受精ができなかったり、また受精後に問題があって成長を止めてしまった卵子が赤ちゃんにならない卵子です。
全ての卵子が精子と出会えたら受精でき、必ず受精が完了して胚になるわけではありません。また胚になっても途中で成長が止まってしまったり、着床ができなかったり、そして着床しても流産してしまうこともあります。
その原因は様々あり、卵子の染色体異常、または精子の染色体異常、胚の成長過程で起こる染色体異常など、卵子の質、 精子の質、胚の質の問題があります。 卵子の染色体異常は、 排卵された卵子の約25%にあると言われ、これは卵子が減数分裂を起こす過程で、染色体の数に過不足が起こることが原因の一つと言われています。 また胚の染色体異常も約40%に起こるとされていますので 、染色体異常が起こる率は少なくありません。 流産は全妊娠の約15%に起こり、そのうちの8割近くが早期流産(妊娠12週未満の流産)となり、早期流産の多くは、胎児側の因子によって起こり、その中で染色体異常が最も多くなります。
赤ちゃんにならない卵子は他に、卵の元気が足りなかったり、うまく成熟できなかったり、卵子の透明体が硬く精子が侵入できない、または透明帯がうまく機能できず何個もの精子が進入し、多精子受精が起こることもあります。

質の良い卵子

染色体に問題がなく、十分に成熟し、元気があること。
このような質の良いと言われる卵子でも、無事に精子と出会えるか、受精しても精子の染色体や運動力などの精子の質、受精後の胚の育つ卵管・子宮の環境から妊娠に至らない場合も多くあります。

成熟した卵子には一個の核と一個の極体があり、これが受精できる卵子の特徴です。 自然妊娠では卵子の成熟度・質を確認することはできませんが、まず卵胞が十分に成長し成熟していることが大切です。これには FSH( 卵胞刺激ホルモン)や LH (黄体化ホルモン)、エストロゲン( 卵胞ホルモン)などが十分に分泌されていることが必要で、卵巣の成熟が卵子の成熟にも繋がります。
卵子の元気さは、細胞質にあるミトコンドリアが関係し、ミトコンドリアはエネルギーを作り、卵胞の成長と受精からその後の胚の成長に働きます。このミトコンドリアが年齢とともに減ることで卵胞が成熟できずに排卵に至らなかったり、十分なエネルギーを作ることができない卵子が排卵される月経周期が増えてきます。これらは卵子の質に関係していると言われています。

元気な卵子、質の良い卵子を育てるためには、自分の月経周期を理解すること。卵胞が十分に成熟して育つように、卵子の栄養であるFSH/LHなどのホルモンが十分に分泌されるように、自分の身体を知り規則正しい生活を送ることも大切になります。



この記事の執筆者
立花 優里 Tachibana Yuri

看護師歴(25年)、2児の母

2児の母と看護師の経験から、子宝情報をお届けします。
不妊クリニック様に不妊検査の営業をしております。

不妊検査コーディネーター、医療ライター

[PR]