感度と特異度とは?

新型出生前診断の精度を表す言葉の中に、感度・特異度・偽陽性・偽陰性と言う言葉があります。感度・特異度とはどういうことでしょうか?

感度  sensitivity : 陽性の人が正しく陽性と診断される確率
特異度 specificity : 陰性の人が陰性と診断される確率
偽陽性 false-positive: 陰性の人が陽性と診断される
偽陰性 false-negative: 陽性の人が陰性と診断される

シーケノム社による新型出生前診断の精度の報告では、
ダウン症候群の感度=検出率、胎児がダウン症候群である妊婦さんのうち検査が陽性であった人の割合は99.1%
ダウン症候群の特異度=胎児がダウン症候群ではない妊婦さんのうち検査が陰性であった人の割合は99.9%と表記されています。

新型出生前診断は信頼性・正確性の高い検査であると思われている人も多いと思います。確かに、クアトロテストの感度は86.7%、特異度は91.0%と言われますので母体血清マーカー検査よりも精度の高い検査と言えますが、感度・特異度だけでは、検査の結果がどの程度信頼できるかわかりません。

非確定検査は、高い精度と言っても、「偽陰性」「偽陽性」の事もあります。


偽陰性:胎児がダウン症候群である妊婦さんが検査で誤って陰性と判定される事
偽陽性:胎児がダウン症候群でない妊婦さんが検査で誤って陽性と判定される事


最も気になるのは、「陰性」「陽性」という結果がどれだけ正しいか。
検査結果の信頼性・正確性は「陽性的中率」「陰性的中率」で判断されます。


陽性的中率:陽性であった妊婦さんのうち胎児がダウン症候群であった割合
陰性的中率:陰性であった妊婦さんのうち胎児がダウン症候群でなかった割合

ダウン症候群の陽性的中率は99.5% 陰性的中率は99.9%で、決して100%ではありません。
したがって、新型出生前診断は精度の高いスクリーニング検査であって、羊水検査のような確定検査ではありません。

さらに、的中率は感度・特異度のほかに、検査の対象になっている疾患によって頻度の影響もあります。
疾患の頻度が低い稀な疾患ほど、同じ感度・特異度であっても、陽性的中率は低く、陰性的中率は高くなります。
例えば、ダウン症候群の場合は、10人に1人と頻度が高ければ陽性的中率は99.1%になりますが、1000人に1人となれば約50%まで低下します。
実際、ダウン症候群の頻度は妊婦さんの年齢で頻度が異なり、妊婦さんの年齢が高くなるほど頻度も上がりますので、陽性的中率は高く・陰性的中率は低くなります。

胎児が染色体の数的異常である可能性の高い妊婦さんの頻度が
1/50(妊娠12週での41歳前後)
1/250(妊娠12週での35歳前後)と推定すると、陽性的中率は80~95%になります。これは、陽性という結果が出ても、残りの5~20%の妊婦さんの胎児はダウン症候群ではないということになります。

新型出生前診断は、診断という言葉が入る検査名になりますが、
あくまでもスクリーニング検査なのです。



この記事の執筆者
立花 優里 Tachibana Yuri

看護師歴(25年)、2児の母

2児の母と看護師の経験から、子宝情報をお届けします。
不妊クリニック様に不妊検査の営業をしております。

不妊検査コーディネーター、医療ライター

[PR]